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蜘蛛を見つけた話。

| コメント(1) | 16年07月20日

6月に小学生を対象とした学童保育「ratoon:ラトゥーン」を開室しました。ratoonとは新芽という意味です、幼児教育は人間形成の根っこの部分だと位置づけるのであれば、小学生になりそこから芽生えたちいさな新芽の心にもしっかりと、心をよせていきたいという願いが込められています。

http://www.ratoon-m.com

学童保育を開室してはや2ヶ月、あっというまにここまで駆け抜けてきた気がします。

これから少しずつそこで感じたことなども書いていきたいと思います。

蜘蛛を見つけた話。

先日、学童に初めてくる子供がいて、常連の子供たちとの間にすこし壁みたいなものがありました、
入室してからもしばらくそれぞれが会話を交わすことなく過ごしていましたが、そのうち一人の女の子が蛙を取りにいきたいといい、みんなで連れ立って田んぼに蛙を取りに行くことになりました。
 
田んぼについてしばらく、それぞれ蛙を追いかけたり、捕まえたりしながら過ごしているところに、大きな蜘蛛を発見。
 
子供たち騒然、みんなで捕獲に挑戦、大格闘の末無事に捕獲。
 
蜘蛛を飼育ケースに入れると、みんなは口をそろえて「気持ち悪い!」「無理!」「やめて」という幼いボキャブラリーの中から思いつく限りの罵詈雑言を蜘蛛にあびせました。
 
それをみて、その蜘蛛を連れて帰ることにしました。
 
「気持ち悪いよねぇ」
「ねぇ」
「うん」
 
帰りのバスの中では、いままでお互いの距離感をしっかりととっていた子供たちが同じ気持ちになって、会話をしはじめて「気持ちが悪い」という共通の気持ちを共有することで一体感を得ているように感じました。
そしてその「気持ち悪い」という感情が蜘蛛だけではなく、
それをいとおしそうに持ち帰ろうとしている自分にも向けられているのだということには気づかないふりをしつつ・・・
  
「気持ち悪い」という感情で結びつくことがはたしていいことなのかどうか。ということはこの際はさておいて、
この蜘蛛の捕獲があったことで、部屋に戻ってからの子どもたちの距離はぐっとちかくなったように感じました。
 
昔読んだ藤子F不二雄のマンガの中に「にくまれ屋」という短編漫画があったのを思い出しました。
一人の敵の前では人間は結束するという習性をビジネスにして、
長い宇宙旅行の中にあえて一人憎まれ役がいることで、
他の乗組員の結束が強くなるという話。
 
その話を思い出しながら、たとえば「子供たちの心を一つにつなげる」という目的があった時に、
そこにいきつく方法はたくさんあって、その無数の道筋の何が正解なのかはわからないけど、
その道筋の引き出しを一つでも多くもっていたいと思いました。
その方法はつまるところ人間というものを深く掘り下げていくということなのかもしれません。
 
そして願わくば、この思いつく限りの罵詈雑言を浴びせた生き物にすこしでも興味がわいてきて、
その小さな体験が、はじめはありえないものだと思っていたものでも、好きになれる可能性があるのだということを心に刻む小さな種にはなれないだろうかと思っています。
 
でも、これがもし逃げたら私はもう二度とratoonには来ないと何人かの子供たちにくぎを刺されているので、気を付けて観察したいと思います。

副住職

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